母という生き物 Pt.2

Pt.1 から⤵︎

Aちゃんは最終的に国立の大学には受かりませんでした。学校の期待、周りの期待を背負って、でも不合格でした。そこで、私立の大学に進学することになりました。

大学在学中、Aちゃんは今まで見たことのなかった華やかな世界を知りました。限界を知らないAちゃんは今までの反動から夜遊びを繰り返しました。ただ、現実は厳しいのです。家計を助け、自分の出費を賄うためにAちゃんはバイトを始めました。壊れた母親は、Aちゃんに様々な要望を押し付けるようになりました。言う通りにしても怒鳴り散らす母親。Aちゃんが稼いだお金を浪費する母親。家賃を払えと要求する母親。電車に乗れば周りに喧嘩を売り、危うく警察沙汰。「自分は可哀想な人間だ。周りは私を助けるべきだ。なぜ周りは私を助けないんだ」と怒る母親。助けてくれた人にキレる母親。キレた後、また助けを求める母親。詐欺に引っかかる母親。毎日怒鳴り散らして、文句・罵倒・中傷。思いつく限りの、存在する限りの罵倒を浴び、その罵倒は外見の事から中身の事まで、いろんな範囲に及びました。誰にも共感されない、どうしていいかわからない。しかし応募した給付の奨学金全てに受かったAちゃんは、その環境の中で学業と、遊びと、家庭を両立しました。そしてもらった奨学金は全て学費に使ったのでした。

そして、ついに大学3年生でAちゃんも壊れました。

大学3年生は、難しい年でした。予定していた事が上手くいかず、精神的にも参っていたAちゃん。「母親に殺されるかもしれない。警察署に行こう」と何度決意したことでしょう。警察に行ったら、兄弟のお世話は誰がするんでしょう。バイトは誰がするんでしょう。結局1度もAちゃんは警察には行きませんでした。そしてある日、Aちゃんは家を出たまま帰って来ませんでした。この時、母親は 「他人」になりました。

1人暮らしデビューをした当初はAちゃんも大変でした。友達が慰めに来てはくれましたが、友達はいつかは帰ります。その後は、独りです。ずっと、独りです。この時期Aちゃんはパニックの発作を起こしていました。パニックの発作は今でもAちゃんを時たま襲うそうです。また軽度の鬱状態でした。毎日生きる気力もない。周りは頑張っているのに、就活しているのに、交通費も勿体無いくらいの生活です。「死にたい。こんな生活するなら死んだほうがマシ」でも、根っこは強いのか、Aちゃんの鬱は生活が落ち着くと共に同時に回復して行きました。4ヶ月後、Aちゃんは自信を取り戻しました。

そこから、ちょうど3年が経ちました。Aちゃんは無事に大学を卒業しました。より良い家に引っ越しました。情熱を注げられる仕事を見つけました。大変な時を知る友人は今でも友人です。
Aちゃんの母は、Aちゃんにとっては 「他人」のままです。そしてAちゃんの母の精神状態は、悪化の一途を辿りました。「よくそんな家庭環境で普通に育ったね」とAちゃんは言われます。見知らぬ人には家族の話はしません。誰もネガティブなことは聞きたくないのです。皆、幸せな答えしか予想していないからです。
家族は海外に住んでいる。連絡はとっていない。Aちゃんは1人っ子です。


めでたしめでたし

Pt. 3

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